我がお粗末名誉棄損事件が変えた日本刑事司法

我が事件から憲政以来の刑事訴訟法の数々の大幅改正がされてきた、被疑者国選・裁判員制度を始めに、2006年には即決裁判制度が導入された。

訴追された被告人の大半は犯罪事実を認めた自白者である、面倒な裁判手続きなどはどうでもよく、執行猶予が付くか、実刑ならどの位か、手打ちで一日でも早く娑婆に戻りたい、だから事実調べや、裁判官が読み上げる判決書などはどうでもよく、申請をしない判決書は渡されていない。

 

また、罪を認めているから弁護人は、検察証拠に対して独断で「同意する」と口頭で争う権利の放棄をする、我が事件のように「刑事法廷で争いを求めた事件」まで、当時は即日結審されてきた。

 

「即決裁判制度」は、最初の公判で人定質問から最後の被告人の最終陳述まで一気に進められます。そして裁判官はいったん退廷し、別室で510分ほど審理した後、法廷に戻ってきて即座に判決を下すというものです。

 

即決裁判が行える事件の条件は、刑事訴訟法350条の16などに規定されています。

刑事訴訟法

第三百五十条の十六 検察官は、公訴を提起しようとする事件について、事案が明白であり、かつ、軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公訴の提起と同時に、書面により即決裁判手続の申立てをすることができる。ただし、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる事件については、この限りでない。

 前項の申立ては、即決裁判手続によることについての被疑者の同意がなければ、これをすることができない。

 検察官は、被疑者に対し、前項の同意をするかどうかの確認を求めるときは、これを書面でしなければならない。この場合において、検察官は、被疑者に対し、即決裁判手続を理解させるために必要な事項(被疑者に弁護人がないときは、次条の規定により弁護人を選任することができる旨を含む。)を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げなければならない。

 被疑者に弁護人がある場合には、第一項の申立ては、被疑者が第二項の同意をするほか、弁護人が即決裁判手続によることについて同意をし又はその意見を留保しているときに限り、これをすることができる。